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水戸八景とは:内容と八景スポット案内


水戸八景とは

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水戸八景は、水戸藩の第9代藩主の徳川斉昭公天保4年(1833年)に水戸藩領内の景勝地を「八景」の様式に倣って8つを選んだ風景評価です。八景様式のもとは画題でしたが水戸八景は、近江八景(伝:明応9年・1500年 頃)に倣って漢詩となっています。また、漢詩は、「水戸八景」として詩吟や詩舞の題目です。
水戸八景の選定の時期は天保4年(1833年)とするのが定説で、当初は常陸八景と呼ばれていました。景勝地の場所には、斉昭自筆の隷書の銘を刻んだ石碑が置かれています。八景の設定において斉昭には景観を楽しむだけではなく、藩子弟の心身鍛錬のために、各碑を徒歩で巡らせる企図もあったと云われています。以下の記載が水戸八景です。

  1. 青柳夜雨 (あおやぎのやう):水戸市青柳
  2. 太田落雁 (おおたのらくがん):常陸太田市
  3. 山寺晩鐘 (やまでらのばんしょう):常陸太田市
  4. 村松晴嵐 (むらまつのせいらん):東海村
  5. 水門帰帆 (みなとのきはん):ひたちなか市
  6. 巌船夕照 (いわふねのゆうしょう:大洗町
  7. 広浦秋月 (ひろうらのしゅうげつ):茨城町・涸沼
  8. 僊湖暮雪(せんこのぼせつ):水戸市・偕楽園

水戸八景サムネイル一覧


水戸八景の番外景勝地:ひたちなか市の観濤所

徳川斉昭公が、水戸八景を定めた時期は定説では、天保4年(1833年)です。 徳川斉昭公は、同じ時期にもう一つ藩内の景勝の地としてひたちなか市磯崎に「観濤所」を指定し、歌碑を立てています。 観濤所の説明版には、天保4年(1833年)頃、第9代水戸藩主徳川斉昭(烈公)がこの地を訪れ、聞きしにまさる雄大な景観に感動し、水戸藩随一の波浪の見どころとして「観濤所」と命名し、水戸八景の番外景勝地として碑をたてさせたと記載されています。 八景の形式上、一つあふれてしまったとも考えられますが、本ページで番外編として追加記載しています。


八景とは何か:水戸八景と瀟湘八景

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水戸八景は、何故、八景なのか。

八景とは、ある地域や場所における八つの優れた風景を選ぶ風景評価の様式のことで、10世紀に北宋で選ばれた瀟湘八景(しょうしょう はっけい)がモデルです。
瀟湘は、中国の湖南省長沙市一帯の地域で、洞庭湖と流入する瀟水(しょうすい)と湘江(しょうこう)の合流するあたりのことです。古くより風光明媚な水郷地帯として知られ、有名な桃源郷の伝説もこの一帯から生まれています。
北宋時代の高級官僚・画家の宋迪(そうてき)は、この地に赴任したときにこの景色を山水図として以下の8つを描きました。最初の2文字は、その場所を次の2文字は風景や情景を表しています。

  1. 瀟湘夜雨 [しょうしょう やう]
  2. 平沙落雁 [へいさ らくがん]
  3. 煙寺晩鐘 [えんじ ばんしょう]
  4. 山市晴嵐 [さんし せいらん]
  5. 江天暮雪 [こうてん ぼせつ]
  6. 漁村夕照 [ぎょそん せきしょう]
  7. 洞庭秋月 [どうてい しゅうげつ]
  8. 遠浦帰帆 [えんぽ きはん]


瀟湘八景は中国の山水画の伝統的な画題で、しだいに朝鮮や台湾等東アジア各地に伝播し、日本には鎌倉時代から室町時代に伝わりました。狩野派などの絵師により「瀟湘八景」が好んで描かれたほか、自国の風景として近江八景や金沢八景(現横浜市)などが選ばれるようになりました。
水戸八景も瀟湘八景をモデルに8つの景勝が選定されています。


水戸八景と徳川斉昭の漢詩(詩吟・詩舞の題目)

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中国の北宋時代の画家の宋迪(そうてき)に始まる八景様式は、山水画の伝統的な画題でしたが、水戸八景は、近江八景に倣って八景を詠んだ徳川斉昭の漢詩となっています。以下は、水戸八景と徳川斉昭の漢詩です。順番は、水戸市から出発し水戸市に戻る順番になっています。

(1)青柳夜雨
漢詩:雨夜更遊青柳頭 (読み方:雨夜更に遊ぶ 青柳の頭:うやさらにあそぶ あおやぎのほとり)
(2)太田落雁
漢詩:太田落雁渡芳洲 (読み方:太田の落雁 芳洲を渡る:おおたのらくがん ほうしゅうをわたる)
(3)山寺晩鐘
漢詩:山寺晩鐘響幽壑 (読み方:山寺の晩鐘 幽壑に響き:やまでらのばんしょう ゆうがくにひびき ) )
(4)村松晴嵐
漢詩:遥望村松晴嵐後 (読み方:遥かに望む 村松晴嵐の後:はるかにのぞむむらまつ せいらんのあと)
(5)水門帰帆
漢詩:水門帰帆映高樓 (読み方:水門の帰帆 高樓に映ず:みなとのきはん こうろうにえいず)
(6)巌船夕照
漢詩:霞光爛漫巌船夕 (読み方:霞光爛漫たり 巌船の夕べ:かこうらんまんたり いわふねのゆうべ)
(7)広浦秋月
漢詩:月色玲瓏廣浦秋 (読み方:月色玲瓏たり 廣浦の秋:げっしょくれいろうたり ひろうらのあき)
(8)僊湖暮雪
漢詩:雪時嘗賞僊湖景 (読み方:雪時嘗て賞す 僊湖の景:せつじ かつてしょうす せんこのけい)

水戸八景の漢詩の詩吟と姉妹の参考の動画

詩吟「水戸八景」は、徳川斉昭の七言律詩の漢詩「水戸八景」を吟じたもので、詩舞「水戸八景」は水戸八景の吟詠に併せ、8つの情景を扇子などを使用し表現する詩舞です。
以下は、日本吟剣詩舞振興会の全国大会での水戸八景の詩吟・詩舞の参考YouTube動画です。この参考動画の詩吟の順番は本サイトの順番と異なります。


茨城県の水戸八景と市町村・場所一覧

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水戸八景8件・番外スポット1件

以下は、写真をクリックすると各景勝地の案内ページが表示されます。

水戸八景の観光VRツアーマップ

茨城県水戸八景VRツアーマップは、水戸八景のすべてのVRシーンの登録位置を確認できる地図です。以下の地図上の青(空中)黄(地上)のポイントをクリックするとVRシーンポイントの名称が表示されます。
そのシーン表示をクリックするとその場所のVRシーンをご覧いただけます。


1.青柳夜雨(あおやぎのやう):水戸市青柳

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水戸市の水戸八景の青柳夜雨の景観写真とVRツアーのリンク
(1)青柳夜雨の観光案内
水戸市の那珂川の畔にあり、現在は堤防が有るため水戸八景碑のある場所からは河岸の様子を見ることはできません。 堤防の道路からは、かつては川岸に柳が植えられていたこの地から、那珂川を渡る渡し船、那珂川越しの水戸の城下町などの眺望があったことを偲ぶことができます。
写真をクリックすると青柳夜雨VRツアーをご覧いただけます。
※文章参考:青柳夜雨の現地説明板:リンクをクリックし拡大すると説明文を確認できます。
所在地〒310-0004 茨城県水戸市青柳町439
周辺のおすすめ観光スポットは、水戸市VRツアーをご覧下さい。
(2)青柳夜雨の観光VRツアーの説明
上記画像は、水戸八景の青柳夜雨碑南側の360°パノラマ写真のVRです。このVRツアーは地上2シーンで構成されており、万代橋の空撮と連動しています。

水戸市・青柳夜雨の碑の地図


2.太田落雁(おおたのらくがん):常陸太田市・栄町

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常陸太田市の水戸八景太田落雁の景観写真とVRツアーのリンク
(1)太田落雁のスポット案内
太田落雁の碑は、常陸太田市栄町の高台にあります。水戸八景碑のある場所からは、かつて、真弓千石と呼ばれた水田が広がっており、眼下に水田、遠くに真弓山をはじめとした阿武隈山地の眺望がありました。
眼下の水田は徐々に市街地化されていますが、現在でも阿武隈山地の眺望を見ることができます。
写真をクリックするとVRツアーをご覧いただけます。
※文章参考:太田落雁の現地説明板:リンクをクリックし拡大すると説明文を確認できます。
所在地〒313-0005 茨城県常陸太田市栄町2497
参考常陸太田市 太田落雁 紹介ページ
周辺のおすすめ観光スポットは、常陸太田市VRツアーをご覧下さい。
(2)太田落雁の観光VRツアーの説明
上記画像は、太田落雁の展望台の360°パノラマ写真のVRです。このVRツアーは、空撮148m、展望台・水戸八景碑で構成されています。

常陸太田市・太田落雁の碑の地図


3.山寺晩鐘(やまでらのばんしょう):常陸太田市稲木町

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常陸太田市の水戸八景の山寺晩鍾の景観写真とVRツアーのリンク
(1)山寺晩鍾のスポット案内
水戸八景の山寺晩鍾は、常陸太田市稲木町の高台にあります。現在の山吹運動公園を少し上った高台で、旧久昌寺の付属施設「三昧堂檀林」があった場所です。
写真をクリックするとVRツアーをご覧いただけます。
近隣には、久昌寺、佐竹寺、西山公園、西山御殿等の名所があります。
※文章参考:山寺晩鍾の現地説明板:リンクをクリックし拡大すると説明文を確認できます。
所在地〒313-0041 茨城県常陸太田市稲木町1699
参考常陸太田市 山寺晩鐘の碑 紹介ページ
周辺のおすすめ観光スポットは、常陸太田市VRツアーをご覧下さい。
(2)山寺晩鍾の観光VRツアーの説明
上記画像は、水戸八景の山寺晩鍾碑の碑解説板の360°パノラマ写真のVRです。このVRツアーは、空撮149m、入口、山寺晩鍾碑、説明板で構成されています。

常陸太田市・山寺晩鐘の碑の地図


4.村松晴嵐(むらまつのせいらん):東海村

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東海村の水戸八景村松晴嵐の景観写真とVRツアーのリンク
(1)村松晴嵐の観光案内
かつては、この地から太平洋を見ることができましたが、現在は原研施設等があり、水戸八景碑の場所からは海原を見ることはできません。
現在、公園となっており、松林を少し歩くと海辺に出ることができます。また、すぐ脇には、東海村の観光名所である村松山虚空蔵堂、村松大神宮があります。「村松晴嵐」の碑は東海村の指定文化財(記念物)です。
写真をクリックするとVRツアーをご覧いただけます。
※文章参考:村松晴嵐の現地説明板:リンクをクリックし拡大すると説明文を確認できます。
所在地〒319-1112 茨城県東海村村松146
参考東海村観光協会 村松晴嵐 紹介ページ
周辺のおすすめ観光スポットは、東海村VRツアーをご覧下さい。
(2)村松晴嵐の観光VRツアー
上記画像は、水戸八景村松晴嵐の説明板の360°パノラマ写真のVRです。このVRツアーは、説明板、石碑、松林などで構成されています。

東海村・村松晴嵐の碑の地図


5.水門帰帆(みなとのきはん):ひたちなか市

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ひたちなか市の水戸八景水門帰帆の景観写真とVRツアーのリンク
(1)水門帰帆の観光案内
この地は、古くから「港」と呼ばれており、「水門」は「湊」のことです。 水戸八景の碑は、高台にあり、今でも太平洋と那珂湊漁港を見下ろす眺望があります。碑の横には、藤田東湖の七言絶句を刻んだ碑がああります。また、桜の古木が数本あり、春には花見と絶景を楽しめます。「水門帰帆」はひたちなか市の指定文化財(名勝)です。近くには、姥の懐(名勝)、湊公園・夤賓閣(いひんかく) の跡、あづまが丘公園・那珂湊反射炉跡などの名所が多数あります。
※文章参考:水門帰帆の現地説明板:リンクをクリックし拡大すると説明文を確認できます。
所在地〒311-1214 茨城県ひたちなか市和田町2丁目6-25
参考ひたちなか市 公式ホームページ ひたちなか市の文化財の紹介ページ
周辺のおすすめ観光スポットは、ひたちなか市VRツアーをご覧下さい。
(2)水門帰帆の観光VRツアーの説明
上記画像は、水戸八景水門帰帆の石碑の360°パノラマ写真のVRです。このVRツアーは、石碑、説明板、展望で構成されています。

ひたちなか市・水門帰帆の碑の地図


6.巌船夕照(いわふねのゆうしょう):大洗町

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大洗町の水戸八景巖船夕照の景観写真とVRツアーのリンク
(1)巖船夕照の観光案内
涸沼川と那珂川の合流地点の大洗町側の高台にあり、涸沼川・那珂川を見下ろし、水田、西に筑波山、加波山、水戸方面の眺望がありました。 現在、近代的な船や橋、建物等が目に入りますが、今でも絶景の夕日を見ることができます。近くまで車で行くことができ、駐車場もあり、水戸八景の地までの遊歩道が整備されています。すぐ近くには、浄土真宗の名刹の願入寺があり、大洗海岸や水族館も車で5分~10分程度です。
写真をクリックすると巖船夕照のVRツアーをご覧いただけます。
※文章参考:巖船夕照の現地説明板:リンクをクリックし拡大すると説明文を確認できます。
所在地〒311-1301 茨城県大洗町磯浜町
周辺のおすすめ観光スポットは、大洗町VRツアーをご覧下さい。
(2)巖船夕照の観光VRツアーの説明
上記画像は、巖船夕照の石碑・説明板の360°パノラマ写真のVRです。このVRツアーは、空撮148m、入口、巖船夕照への道、石碑・説明板・展望で構成されています。

大洗町・巌船夕照の碑の地図


7.広浦秋月(ひろうらのしゅうげつ):茨城町・涸沼

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茨城町の水戸八景広浦秋月の景観写真とVRツアーのリンク
(1)広浦秋月のスポット案内
広浦は、当時の地元民による涸沼の呼称で、かつて周囲には老松が茂っており、今でも砂州、松林が残っており、涸沼の湖面、西に筑波山の眺望があります。「広浦秋月」碑の横に、水戸八景選定経過等を記した副碑「保勝碑」が1基建立されています。「広浦」は、茨城県指定文化財(名勝)であり、広浦公園として駐車場も整備されており、テントキャンプ・バーベキュー・釣りができる公園となっています。近くには、涸沼に面して涸沼自然公園、親沢公園、涸沼網掛公園等のおすすめ観光スポットが多数あります。
写真をクリックすると広浦秋月のVRツアーをご覧いただけます。
※文章参考:広浦秋月の現地説明板:リンクをクリックし拡大すると説明文を確認できます。
所在地〒311-3125 茨城県茨城町下石崎1652-8
参考茨城町観光協会 広浦秋月 紹介ページ
周辺のおすすめ観光スポットは、茨城町VRツアーをご覧下さい。
(2)広浦秋月の観光VRツアーの説明
上記画像は、水戸八景の広浦秋月の360°パノラマ写真のVRです。このVRツアーは石碑前、説明板前、石碑南側で構成されています。

茨城町・広浦秋月の碑の地図


8.僊湖暮雪(せんこのぼせつ):水戸市・偕楽園

水戸市の水戸八景僊湖暮雪の景観写真とVRツアーのリンク
(1)僊湖暮雪の観光案内
僊湖は水戸市の千波湖のことで、僊は資料によって「仙」や「千」とも表記されます。僊湖暮雪の碑は、水戸の偕楽園の園内にありますが、水戸八景碑の設置は天保4年(1833)で、 偕楽園の開園は天保13年(1842)です。徳川斉昭公は、自ら定めた千波湖を見下ろす水戸八景の絶景地に、9年後に日本三名園となる偕楽園を作りました。
写真をクリックすると僊湖暮雪のVRツアーをご覧いただけます。
※文章参考:僊湖暮雪の現地説明板:リンクをクリックし拡大すると説明文を確認できます。
所在地〒310-0033 茨城県水戸市常磐町1丁目3
周辺のおすすめ観光スポットは、水戸市VRツアーをご覧下さい。
(2)僊湖暮雪の観光VRツアーの説明
上記画像は、水戸八景の僊湖暮雪碑の360°パノラマ写真のVRです。

水戸市・僊湖暮雪の碑の地図


水戸八景番外景勝地:観濤所:ひたちなか市

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ひたちなか市おすすめ観光スポットの観濤所(水戸八景番外景勝地)の案内VRツアー
(1)観濤所の観光案内
江戸時代の天保4年(1833)頃、水戸藩9代藩主徳川斉昭公がこの地を訪れ、聞きしにまさる壮大な景観に感動し、水戸藩内随一の波浪の見どころとして「観濤所(かんとうじょ)」と命名し、水戸八景の番外景勝地として碑を建てさせたといわれています。
碑は、江戸時代から磯前石として広く知られた海岸の自然石を用い、碑面には斉昭公自筆の隷書が刻まれています。
この地は、ひたちなか市磯崎の高台にあり、眼下に中生代白亜紀層(平磯白亜紀層: 県指定文化財・天然記念物)の海岸があり、太平洋を一望できる絶景スポットです。
写真をクリックすると観濤所のVRツアーをご覧いただけます。
所在地〒311-1202 茨城県ひたちなか市磯崎町入道3602
周辺のおすすめ観光スポットは、ひたちなか市VRツアーをご覧下さい。
(2)観濤所の観光VRツアーの説明
上記画像は、観濤所の360°パノラマ写真のVRです。このVRツアーは、空撮143m、入口、石碑・説明板、東屋・展望で構成されています。

観濤所の碑の地図

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