- 蝋梅とは
- 蝋梅の種類
- 茨城県の蝋梅名所一覧
- 茨城県の蝋梅名所案内(北から)
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- (1)蝋梅(ロウバイ)の特徴
- 蝋梅は、クスノキ目、ロウバイ科、ロウバイ属に属する中国原産の落葉広葉樹の低木です。 木の高さは2〜4mほど、幹は重なり合って生えて分枝します。
ロウバイの英語名は、「Winter sweet」で、その名の通り、花は、冬(1月~2月)の寒いさなかに蝋(ろう)でコーティングしたような半透明の質感のある黄色い花が咲き、花の香りは、甘く優しい香りがします。花びらには厚みがあり、花びらだけを見るとロウで作られた造花のようです。なお、漢方では、花やつぼみを乾燥した蝋梅花(ろうばいか)、花やつぼみからエキスを抽出した蝋梅油(ろうばいゆ)を薬として使用しています。中国の原産で、日本へ渡来したのは17世紀初めの江戸時代ごろとされています。 - (2)蝋梅と梅の違い
- 蝋梅の名の由来は、蜜蝋(ミツロウ)のような質感のある黄色い花であることが有力ですが、太陰暦の蝋月(12月)に咲くということことからという説もあります。 蝋梅は、江戸時代の初め頃に中国から日本に渡来したといわれ、唐梅(カラウメ)とも呼ばれ「梅」の名がついていますが、食用や観賞する一般的な梅の仲間ではありません。 蝋梅は、クスノキ目、ロウバイ科、ロウバイ属で、梅は、バラ目・バラ科・サクラ属で桜や桃の仲間です。蝋梅の木は低木であるのに対して、梅の木は高木に分類され、幹の色や木の見た目の形も異なります。 花の香りも、梅は清潔感のある爽やかな香りに対し、蝋梅は甘く優しい香りで異なります。 また、蝋梅花は漢方ですが、蝋梅の実の中身は毒があり食べられないていう点でも梅と異なります。似ている点としては、新枝に花の咲くまえのつぼみがついている様子は梅にそっくりで花の大きさもおぼ同じです。また、花の咲く時期が冬であるという点です。なお、中国明代の『本草綱目』に、何故、蝋梅と呼ばれたかについて記載されていることが以下に薬の玉手箱 No.365に記載されています。
- (3)雪中四友(せっちゅうのしゆう)と蝋梅
- 蝋梅は、「雪中四友」の4つの花の中の一つで、中国では、景観を描く「八景」と同じように古くから画題となっていました。「雪中四友」は、文人画に好んで描かれた寒雪に耐えて早春に咲く、黄梅(ウメ)、蝋梅(ロウバイ)、水仙(スイセン)、山茶花(サザンカ)の4つの花のことを言います。なお、日本では、他の花に比べて画題となっていないようです。
- (4)蝋梅の利用
- 漢方薬の蝋梅花は、蝋梅のつぼみを乾燥したもの、蝋梅油は蝋梅のつぼみから抽出したもので、解熱、鎮咳、鎮静薬として利用されています。 日本では、観賞用に家の庭木、寺や神社、公園等に冬を彩る花として植えられるほか、冬の花として切り花が生け花やアロマテラピー用に、12月頃から市場に流通します。
参考:以下の情報は、参考になりますのでご確認ください。
- 株式会社ウチダ和漢薬 薬の玉手箱 No.365 蝋梅花
- 武庫川女子大学 薬用植物園 薬用草木データベース:蝋梅
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ウィキペディアでは、複数の種類が記載されていますが、土浦市の渡辺蝋梅園の渡辺氏の話では、冬(12月~3月)に日本で見られる一般的な蝋梅の種類は、マンゲツ(満月蝋梅)とソシンロウバイ(素心蝋梅)とのことです。なお、渡辺蝋梅園では、冬に咲くフクジュ(福寿)や、秋に咲くトキワロウバイ(常磐蝋梅)、夏に咲くナツロウバイ(夏蝋梅)やクロロウバイ(黒蝋梅)等少数ですが見ることが出来ます。
ソシンロウバイ【素心蝋梅】
ソシンロウバイは、中国中部を原産とするロウバイの一品種で、日本へ渡来したのは明治時代といわれる。
日本各地の庭園や公園に広く植栽されてる。「ソシン」は「素心」あるいは「素芯」で、花弁が芯まで同じ黄色であることに由来している。黄色は、マンゲツロウバイよりも薄く、中心が白く見えることからシロバナロウバイと呼ばれることもある。
茨城県では、土浦市の渡辺蝋梅園、筑西市の宮山ふるさとふれあい公園等で見られる。
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冬以外に咲く蝋梅は、冬(12月~3月頃)咲くロウバイ科ロウバイ属の蝋梅とは、「属」が異なります。
ナツロウバイ【夏蝋梅】
ナツロウバイは、中国の浙江省原産のロウバイ科ナツロウバイ属の落葉低木。クロバナロウバイ属とする説もある。
真夏ではなく初夏(5月~6月)に花が咲き。耐暑性があり庭木として利用される。 花弁はやや肉厚で、花に香りはほとんどなく、分枝した枝先に花径7~10㎝程度の花を一輪咲かせる。 花はカップ状で、大きな外側の花被片と小さな内側の花被片の二重構造になっている。
外側の花被片は10~14個あり、多くの場合、色は白で縁に向かって薄桃色を帯び、内側の花被片は7~16個あり、淡い黄色で基部に向かって白くなっている。
茨城県では、土浦市の渡辺蝋梅園で見られる。クロバナロウバイ【黒花蝋梅】
クロバナロウバイは、学名がCalycanthus floridus var. floridusで、北アメリカに分布するロウバイ科クロバナロウバイ属の落葉低木。
アメリカ東部のバージニア州からフロリダ州にかけて、森林の開口部や低木林の中、河川沿いなど、やや湿り気のある場所に自生している。
クロバナロウバイ属は、分類学的解釈により異なり、2~4種ほどある。クロバナロウバイとして流通するのは本種(Calycanthus floridus var.floridus)である。花期は。5月~6月で、花の色は暗褐色から赤褐色(チョコレート色)で強い香りがあり、香水の原料として使用される。
茨城県では、土浦市の渡辺蝋梅園 、那珂市の茨城県植物園で見られる。 なお、クロバナロウバイの変種としてアメリカロウバイ(Calycanthus floridus var. glaucus)がある。クロバナロウバイに似ているが、全体に大型で、葉裏に毛がなく、花の香りが弱いことで区別できる。
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蝋梅の名所・おすすめスポット6件
茨城県には、蝋梅の観光名所・おすすめスポットが多数あります。以下は取材・登録が完了しているVRツアーです。
茨城県植物園の黒蝋梅【那珂市】
茨城県植物園・岩石園の黒蝋梅、あやめ、ハゲショウ弘道館の蝋梅【水戸市】
蝋梅の古木4株、梅まつり、白梅・紅梅宮山ふるさとふれあい公園【筑西市】
蝋梅林、梅林、宮山観音古墳、キャンプ場筑西市立農業資料館の蝋梅
筑西市、農業資料館、桜渡辺ロウバイ園の蝋梅【土浦市】
約150株の蝋梅渡辺ロウバイ園の夏蝋梅【土浦市】
初夏に咲く蝋梅渡辺ロウバイ園の黒蝋梅【土浦市】
赤褐色の蝋梅、強い香り筑波山梅林の蝋梅林【つくば市】
約50株、約1,000本の白梅・紅梅
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茨城県植物園は、那珂市戸にある県営の植物園です。園内の岩石園では、バラの季節に黒蝋梅(アメリカ原産)を2株ほどご覧いただけます。また黒蝋梅の周りでは、ハンゲショウ、あやめ、バラの原種のひとつであるノイバラ等もご覧いただけます。
※営業時間 9時00分~16時30分 定休日:月曜日
所在地:〒311-0122 茨城県那珂市戸4589
お問合せ茨城県植物園:電話 0292-95-2150
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冬
弘道館には、幹の太い蝋梅が囲われた4か所に4株あります。写真は、講道館正庁の正面玄関の左側脇の蝋梅です。ここから左回りで正庁を庭の小径を回ると他の3か所の蝋梅を見ることができます。
なお、蝋梅のVRツアーは、既に終わりの時期であったため蝋梅VRシーンは玄関脇だけです。
別途、弘道館VRツアー案内ページをご覧ください。
所在地〒300-4353 茨城県水戸市三の丸1-6-29
お問合せ弘道館事務所